2017(平成29)年4月グリーフワークかがわ
ニュースレター第156号(HTML版)

2017(平成29)年5月10日 グリーフワークかがわ広報部

◆グリーフワークかがわへの思い◆


私は昨年初めてグリーフワークカウンセラー養成講座を受講することが出来ました。

受講しようと思ったきっかけは、5年前に長女を亡くし、自分では対処しきれない悲しみの中「何かないか。何処かにこの悲しさを何とかしてくれるものはないか。」と探した時に出会った、グリーフワークかがわ主催の「身近な人を亡くした方のグループミーティング」でした。数回参加させて頂いた中で「私も今、グリーフワークについて勉強しています。」という参加者の方がおり、グリーフワークについて学ぶ場がそこにあるのを知りました。

「自分程悲しんでいる人はいない。自分がこの世で一番悲しんでいる人間だ。」と思いながら参加したグループミーティングで、自分と全く同じ気持ちの人がこんなにいるのだと分かった事と、実際に自分以外の方の喪失のお話を聞く事は(単に聞くだけですが)どれ程当時の私の支えとなったか分かりません。その後、自分と同じような喪失体験をされた方を支える活動を始めましたが、すればするほど、グリーフワークについてきちんと学びたくなり、受講する事となりました。

受講講座でのロールプレイでは、人がひとりひとり違うように、同じように見える喪失でもその受け取り方や悲しみの表現は様々で、対応の仕方も常に注意深く柔軟に変わって行かねばならないと分かりました。これは書物での勉強だけでは分からない、大変重要なポイントですし、養成講座はカウンセラーになるのを目的とせずとも、様々な悲しみの形を知り、その行く先も見えてくる貴重な場だと思います。

講座終了後の各行事への参加では「ボランティアでこの活動をずっとされている方がこんなにいるんだ」と改めて頭の下がる思いと共に「ああ、あの時私はこうやって支えてもらえていたんだ。」との感謝の気持ちで一杯でした。

私は医療従事者でもカウンセリングの専門職でもありませんが、少しずつでも学び、初心を忘れずに、自分に出来る事を細く長く続けて行こうと思います。またそれは間違いなく自分のグリーフワークでもあります。会員の皆様の姿を見て、自分も前に進もうと思ったように、様々な悲しみの中にいる方が、自分の姿を見て一歩でも踏み出せるような活動をしたいと思っています。

ローマ真由子


◆リビングwithグリーフ◆


受動喫煙対策~何が問われているのか~

花岡 正憲


海外を旅行したおり,観光バスの出発前に「皆さん方の中には,たばこを喫われる方がおられるかも知れませんが,今日のバスの運転手はたばこが嫌いなので,終日車内禁煙でお願いします」と現地ガイドの車内放送があった。30年も前のことである。

受動喫煙を規制する法案の今国会提出を政府が目指している中,WHO(世界保健機関)の幹部が来日し,「日本は,たばこ対策,特に受動喫煙対策は時代遅れだ」と苦言を呈し,東京五輪に向けて,公共施設については,国レベルで屋内を完全に禁煙するよう厚労相に要請した。

これに対して,自民党「たばこ議員連盟」が,厚生労働省の原案を大幅に後退させるような受動喫煙対策の「対案」を発表した。「職場は受動喫煙対策の対象外」「飲食店は喫煙の可否を店の前にステッカーで選択表示すればよい」など,現状とほぼ変わらないものになっている。

喫煙と非喫煙は,単なる嗜好の違いとして相対化できる問題ではない。受動喫煙を続けることで,がん,脳卒中,気管支喘息などの健康リスクが高まり,妊婦の受動喫煙は流早産や発育不良とも関係がある。エビデンスに基づいた受動喫煙の健康被害が指摘されている。

ニコチンは,ヘロイン,コカイン,アルコールなどと比べても,依存性が強い薬物である。人が集まる場所で,掌に隠すようにたばこを持って,人がいない方向へ煙を吐き出す。たばこの煙が嫌な人が気になるのであれば,その場では控えたらよさそうなものだが喫煙欲求を自制できない。部下らしい女性を従えた上司が飲食店の入り口で喫煙の有無を聞かれ,「課長は喫われますよね…。喫煙でお願いします」と部下に言わせる上司のずるさ。「あなたは妊娠していないから禁煙席じゃなくても構わないよな」と言う男性スモーカーのおためごかし。

ニコチン依存症は,やめたくてもやめられない喫煙習慣である。依存症になると,日常生活場面で喫煙に固執する行動が見られる。これは「薬物探索行動」の一種で,薬物が摂取できない環境に置かれると,かえって薬物摂取の渇望が強くなる。

「たばこ議連」は,業界の反発が気になるとは言え,この期に及んで,公共空間にできるだけ喫煙の余地を残しておこうとする未練がましさは,シケモク探しという「薬物探索行動」のイメージと重なってしまう。

日本は,受動喫煙の取り組みは遅々として進んでいない。「世界の常識は,日本の非常識」の典型例とも言える。健康とお金と利権など,失いたくないものを多く持っている日本人成年男子の事情に添ったジャパニーズ・スタンダードが問われているとも言えよう。五輪開催という「外圧」をきっかけに,面子を気にして議論が始まるというのもいかにも日本的である。

受動喫煙対策で欠かせないのは,受動喫煙にさらされる場面で「ノー」と言えない弱者を保護するための法律である。親であれ,他人であれ,乳幼児のいるところで喫煙することを規制する。もう一つは,ハローワーク等の求人情報欄に,働く人の受動喫煙防止策の具体的な明記を義務付ける企業責任に関することであろう。

副流煙が嫌いな人も,法律だけを頼りにするのではなく,意思表示をすることが大切だ。例えば,飲食店で,上司や同僚に「私はタバコの煙が嫌いです」とストレートに言いにくければ,「禁煙席を選んでくれるとありがたいです」という言い方も有効だろう。禁煙表示がなくとも,たばこは,どこででも喫えるものではないという文化を醸成していくことが肝心だ。

(グリーフカウンセラー 精神科医)
2017・4・24


◆2017年4月9日 第105回 理事会開催◆


《審議事項》


第1号議案

2017年度収支予算案に関する事項

2016年度予算および収支に基づき,事務局会議で検討し事務局作成の予算案を完成させ,5月14日の理事会で再検討の後,承認を得て,6月1日の総会に諮ることで承認された。監査は5月11日に予定している。

第2号議案

2017年度通常総会の準備に関する事項

通常総会の準備として,議案書・出欠確認文書および返信用封筒・会費振込用紙を5月18日迄に整え,開催10日前の5月19日に発送予定。当日資料として,事業報告書・決算報告・監査報告・事業計画(案)・予算書(案)・定款変更(案)をそろえることで承認された。なお,定款の変更箇所は,第9章52条の公告の方法(内容は報告事項の1参照)と第4章 第15条の役員および職員の任期についてである。2017年度は役員改選の年でもあり,理事人数を現在の8名から9名体制に変更することとし,これに伴い全ての会員から役員を募る旨の文書を通常総会の資料に同封し,自薦・他薦を問わず広く募集することが合わせて承認された。

第3号議案

事務局体制に関する事項

認定カウンセラー拡大会議で事務局員と相談事業コーディネーターについて説明をしたが,さらに理事会側が求める役割について明確にし,人材募集を通知すること,応募者に対しては丁寧な説明会を実施し,詳細を伝えたうえで役割を担ってもらえるように慎重に進めていくことで承認された。

第4号議案

2017年度グリーフカウンセラー養成講座・基礎コースに関する事項

2017年度の養成講座について,日程が確定(9月14日・21日・28日,10月5日・12日・19日,説明会:11月2日)し,会場のサンポートホールの予約が完了した。今後のスケジュールについては,テーマと講師の決定,チラシの作成,チラシの発送作業をおこない,受講者募集が7月中旬の予定である。チラシは,AIYAシステムに2000部依頼することで承認された。



◆2017年4月16日 第55回 認定カウンセラー会議◆


【議題】

1. 2017年度グリーフカウンセラー養成講座・基礎コースについて

  • 今年度用のチラシ案の配布の後、基礎コースの説明があった。
  • 会場は昨年同様にサンポート小会議室とし、会場の確保は完了している。
  • 今年度は会場の関係で9月14日を初回とし、10月19日を最終回とする。
  • 申し込みがあってからの事務作業への質問があり、杉山理事長からの回答があった。
  • 講座のテーマと講師については昨年と同じで、今年度の講座順については①→③→④→⑤ →②→⑥(番号は昨年度の講義順)となった。
  • 昨年度の講座受講者からの感想があった。
  • 講座での受講者のグループ分けについて質問、提案があり、それについて話し合った。
  • アシスタント講師での今年度への参加について説明があった。
  • 今年度の募集時期については7月中旬頃からとする。

2. 事務局員,相談事業コーディネーター募集について

  • 杉山理事長から事務局及びコーディネーターの業務の説明があり、コーディネーターを西山忠明さんが担当する事に決定した。(実務者研修で引き続きを予定)

その他

  • 今年度の自殺対策相談事業と赤い羽根共同募金からの助成金の交付が決定した。
  • 勉強会等でのプリント代も経費と出来るので、会計との相談の上内規を決定する方向となった。