2020年(令和2年)7月グリーフワークかがわ
ニュースレター第195号(HTML版)

2020年(令和2年)8月13日 グリーフワークかがわ広報部

◆2020年度グリーフカウンセラー養成講座・基礎コース開催のお知らせ◆


  • 催:認定特定非営利活動法人グリーフワークかがわ
  • 日:2020年9月24日開講  10月29日最終回
    毎木曜日 18:30~20:30 6回シリーズ
  • 場:サンポートホール高松 51会議室
    高松市サンポート2番1号 TEL 087-825-5000
  • 受講対象:本講座は,地域でグリーフカウンセリングという視点で相談援助等の実務(プラクティス)を行う方を対象とします。資格・経験の有無は問いませんが,全課程出席可能な方。受講修了者は,ご希望があれば,一定の条件のもとにグリーフワークかがわでの相談業務を行うことも可能です。
  • 募集定員:12名 (申し込み多数の場合は先着順とさせていただきます。最低履行人数 6 名に達しなかった場合、中止となる可能性がございます。中止の場合,事務局より電話かメールにてご連絡し受講料は全額返金いたします。)
  • 研修形式:講義,演習,グループワークをとおして,グリーフカウンセリングの基本を学びます。
  • 申込方法・詳細はこちらをご覧下さい
  • グリーフワークかがわでは新型コロナウイルス感染拡大防止対策を行った上で講座を進めてまいります。
講座スケジュール(毎回 18:00開場 18:30開始 20:30終了)
開催日 テーマと講師 ねらい
9月24日(木)
18:30~20:30
・喪失体験
・悲哀と悲嘆
ローマ真由子/上野美幸
・受講者自身の喪失体験を通して喪失の意味を考え,その特徴について理解を深める。「大切な人との別れ」という視点を通して,悲哀と悲嘆 について考える。
10月1日(木)
18:30~20:30
・家族の死
ローマ真由子
・故人の果たしていた役割を理解し,喪失による心の危機からの回復過程について学ぶ。
10月8日(木)
18:30~20:30
・子どものグリーフワーク
上野美幸
・子どもの発達段階に沿ったグリーフの特徴について理解し,そのケアについて学ぶ。
10月15日(木)
18:30~20:30
・看取りと喪失
池島邦夫
・予想される死に対する喪失と看取りについて学ぶ。
10月22日(木)
18:30~20:30
・自殺予防
夛田敏恭
・自殺に対する理解と自殺企図者への対応を学ぶ。
10月29日(木)
18:30~20:30
グリーフカウンセリングの終結
カウンセラー自身の悲哀
池島邦夫
・グリーフカウンセリングの過程 を再認識するとともに,その完了について理解を深める。カウンセラー自身の悲哀について学ぶとともに,その重要性について理解を深める。

講座スケジュールの順序が変わることがあります。あらかじめご承知おきください。

 リビングwithグリーフ 


「ステイホーム」を「ステイスマート」に

花岡 正憲


新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い,外出自粛や休業要請によって,うつ症状などメンタルな不調を訴える人がどれぐらい出たかを把握するため,厚労省がいわゆる「コロナうつ」全国調査をする方針が示された。

緊急事態宣言下で,経済的打撃を被り,経営不振から倒産や失職に追い込まれた人たちも少なくない。緊急事態宣言が解除され経済活動を再開した矢先感染者が増加,先が見通せない中で,日常的に抗いがたい見えざる脅威にさらされ,物心ともに疲弊した状態が続く中に人々はいる。

既に,コロナ禍で精神的苦痛を感じる人の割合が45%に上ると言う米国のデータもある。

コロナ災害がもたらす喪失体験が,「うつ」につながることは容易に理解できるが,人々の心や生き方に与える影響は様々であろう。

コロナ禍の中で,書店の売り上げが2,3割売り伸びたという話を聞く。日ごろ売れない難しい本が売れる。カミュの『ペスト』や石弘之著『感染症の世界史』などが,このところのベストセラーになっている。『ペスト』は漫画本としても出版されている。図書館で過ごす人も増え,人々の読書量が増えている。感染症と社会や人類史だけでなく,生死や人間存在についてあらためて考える機会にもなっている。「コロナうつ」の中には,こうした過程で起きる「うつ」も含まれるだろう。

ステイホームで,新聞にゆっくり目を通し,テレビを見る機会も増えた。政権のコロナ対応のちぐはぐさだけでなく,三権分立を無視した政治の検察官定年制への介入と東京高検検事の賭けマージャン,イージスアショアの配備中止,国会議員夫婦の公職選挙法違反容疑による逮捕など,政治や社会の矛盾に目覚め,政治リテラシーが向上した人は少なくないだろう。

リモートワークでは,家庭内に仕事が持ち込まれることからくるストレスも少なくない。毎日,始業報告と終了報告を行うが,自由に外出できるわけではなく,公私のメリハリがつけにくい。自分の家で居ながら拘束性された時間を過ごすことになる。一般家庭では,書斎など知的作業のための空間がない。職場からのサポートが得られ難く仕事が停滞しやすいと言う声も聞く。デジタル化によって,時代遅れのスキルで働く世代の不適応感がますます募る。一方で,リモートワークは,従来の通勤型の仕事のあり方を見直す機会にもなった。そのためには,環境整備が必要になることも見えてきた。

ステイホームで,片づけがはかどる。断捨離が進む。外食規制の中で,家庭料理のレシピが増える。

家族の人間関係も変化を求められる。これまで棚上げにしてきた夫婦や親子の関係をリセットするきっかけになる。膠着状態から抜け出して家族関係に好ましい変化が起きることもあるだろう。

子どもは休校,親は出勤抑制で,家族メンバーが一緒に過ごすことが増える。父親は家庭内滞在時間が長くなることで,思春期になる息子が母親とべったりであることが,気になりはじめる。引きこもりの子どもとの接し方も変化を求められる。本人が動き出すまで見守ると言う親のものわかりの良さは,実は本音で向き合えず,親が逃げていたことに気づくきっかけになることもあるだろう。

普段見過ごされてきた課題について,自ら情報をとり,考え,人と意見を交わし,違った視点を持ち,生き方や社会を変えていく。ステイホームをステイスマート(賢くあり続ける)のきっかけにしたい。


(グリーフワークかがわ 精神科医)
2020・7・15




◆2020年7月12日 第148回理事会◆


《審議事項》

第1号議案

2020年度会計担当の業務委託に関する事項

会計担当として業務委託する事,給与支払については日報の月末締め分を翌月の理事会で確認し現金で20日払いとする事で承認された。

第2号議案

認定NPO法人有効期間更新に係る現地調査に関する事項

7月10日に行われた第1回現地調査について理事長から報告があり,県からの4点の指摘事項については下記内容で回答する旨で承認された。

(1)会員への管理費からの報償について,次回理事会でも引き続き審議し,ボランティア役務についての検討と本会の報償費規定を基にそれぞれの基準を設けていく。
(2)領収書の不備が見受けられる点について,最終的に領収書はあったが,次回への注意点として分かり易く保管・整理していく。
(3)定款上,総会で定めることとされている賛助会員会費の額の決定時期が不明である点については本会定款を再度確認の上,本会監事でもある行政書士に相談し協議していく。
(4)寄附金の領収書については県からの指導の通りの様式へ訂正する。既に送付している今年度発行の領収書については正しいものと差し替えるよう依頼していく。

2回目の現地調査は,追って日程調整が行われるもので,公認会計士と県担当者による調査が行われる。

第3号議案

NPO法人取得10周年記念シンポジウムに関する事項

実行委員長負傷の為パネリスト等決定時期がずれるが,委員長が復帰し実行委員会を招集できる時期を待ち,引き続き審議して行くことで了承された。

第4号議案

2020年度グリーフカウンセラー・基礎コースに関する事項

主担当の上野理事より第2回企画会議報告の後,今後のスケジュールと内容については企画会議で出た意見で進める旨が承認された。最少催行人数は定員の半分の6名とし,受講の際の感染防止策を周知すること,及び万が一途中での受講料返金が発生した場合の対応,振込方法についても了承された。第1回の講師会は8月20日とする。

第5号議案

第149回理事会開催日程に関する事項

副理事長を議長とし,8月9日(日)の開催とする事で承認された。その際にリモートでの理事会参加が可能かどうか,当日出席できない理事は端末使用で試み,今後定款に理事会への電子的参加の件を追加する事について引き続き審議していくことで了承された。



◆2020年7月19日 第92回認定カウンセラー会議◆


  1. 各相談事業の報告
    6月の相談事業について現状報告があった。
  2. 技術援助について6月に行われた2回の講師派遣の報告があった。
  3. 2020年度グリーフカウンセラー養成講座の企画について説明があった。
  4. 実務者研修についての案内があった。
  5. 新型コロナウイルス感染予防対策について法人としての基準を示すよう理事会への要請があった。
  6. 勉強会

    文献「ともに悲嘆を生きる グリーフケアの歴史と文化」
    島薗進著 朝日新聞出版 朝日選書982

    第4章 グリーフケアが身近に感じられるわけ