2017(平成29)年3月グリーフワークかがわ
ニュースレター第155号(HTML版)

2017(平成29)年4月11日 グリーフワークかがわ広報部

◆グリーフワーク啓発活動を行いました◆


子どものグリーフワーク週間として、3月11日(土)11時30分から高松市丸亀町壱番街前ドーム広場にてグリーフワーク啓発活動を行いました。13名の会員の皆さまのご協力を頂き、プラカードを掲げ、チラシ配布を行いました。ありがとうございました!

  • 高松市丸亀町壱番街前ドーム広場の写真
    高松市丸亀町壱番街前ドーム広場
  • チラシ,ブロシュール,募金箱の写真
    チラシ,ブロシュール,募金箱
  • グリーフワークデープラカード
    プラカード

◆2016年度認定カウンセラー拡大会議を開催しました◆


日時:2017年3月19日(日)10:00~12:00
会場:丸亀町カルチャールーム
出席:15名
新たに登録されたグリーフカウンセラー6名をはじめ、出席者の自己紹介が行われ議事に移りました。

1. NPO活動について

  1. NPO法人について
    杉山理事長より、グリーフワークかがわについて、大切な人や関係を失った人のグリーフワークを支援する団体として2000年に立ち上げられた研究会が、2004年3月に設立された「グリーフワーク・かがわ」を経て、2009年11月にNPO法人の認定を取得、2015年7月28日に認定NPO法人の認定となり、認定NPO法人グリーフワークかがわとして現在まで活動していることを説明した。
  2. 認定NPO法人について
    杉山理事長より、認定NPO法人の活動についておよび寄附について下記資料を用いながら説明を行った。認定NPO法人としては寄付金控除の対象となることが大きな特徴である。
  • 参考資料:香川県版「NPO 法人を応援しよう!!」
    「より信頼されるNPO法人になるために 寄付と会計のはなし」
  • 配布資料:寄付ブロシュール

2. 17年度事業計画について(定款第5条)

  1. 杉山理事長により「2017年度事業計画(案)」に基づいて、2017年度事業計画について内容の説明を行った。

3. 認定カウンセラー会議について

  1. 趣旨について
    認定カウンセラー会議は、下記の通り定期開催している。
    開催日:毎月第3日曜日午前10時~11時30分
    会場:丸亀町カルチャールーム
    内容:報告事項,審議事項,相談従事者間で情報交換を行ったり,課題を話し合う。
  2. 勉強会について
    2017年度4月以降使用予定の文献の詳細は以下の通りである。
    事務局で所有している文献は貸出も可能である。

文献:「子どもの喪失と悲しみを癒すガイド―生きること失うこと―」
リンダ・ゴールドマン著天貝由美子訳

4. 実務者研修について

  1. 事前研修
    平成29年度の認定カウンセラー事前研修は以下の予定とする。
    第1回 4月20日18:30~
    第2回 4月30日13:30~
    いずれも,グリーフワークかがわ相談室で実施。
  2. スーパービジョン
    2016年度はスーパービジョン研修を全3回開催予定とした。
  3. 情報管理について
    予定されている事前研修会にて説明予定とする。
  4. メーリングリストについて
    新たに認定された認定カウンセラーを今後登録予定とする。

◆リビングwithグリーフ◆


ジェンダー・ギャップ

花岡 正憲


森友学園問題をめぐり,妻は学園側との金銭の授受はなかったと言っていると国会で答弁する安倍晋三首相をテレビで見た女性が,「安倍さんは,昭恵さんの代弁はできない」と感想を漏らした。「夫は妻の代弁者にはなれない」からだと言う。

この話を聞いて思い出すのが,ノルウェーの劇作家イプセン(1828-1906)の『人形の家』である。『人形の家』は,夫に人形として愛されるに過ぎなかった女性が,いかに一人の考える人間として成長するかを描いた戯曲で,フェニミズムの歴史に大きな影響を与えている。

主人公ノラは,奔放,天真爛漫で,世の中の苦労を全く知らないように思われている。あるとき,夫の病気の治療費が不足したために,文書偽造までして借金をした。この秘密が暴露されてしまう。こうした危機に際して,夫のヘルメルは,自分の社会的地位が失われてしまうかも知れないと,ノラの献身を口汚く罵る。

ヘルメルがノラを愛したのは,一人の人間としてではない。自分が世間にどう思われるかが大切で,人形として愛している。こうした夫の正体を見たノラは,ようやく世間知らずだった自分に気づき,長い結婚生活の中で,はじめて夫と人間対人間としての話しあいを持つ。

ノラ「わたしはまず自分を教育しなければなりません。しかも,あなたはそれを助けてくだされるお人ではございません。わたしは独力でいたさなくてはなりません。ですからわたし,いま,あなたとお別れいたします。(中略)わたくし,自分を省み,周囲をよく判断できるようになるためには,まったく孤(ひと)りにならなくてはなりません。ですから,この上もう,――あなたのお傍にはいられません」(中略)

ヘルメル「おまえは正気ではない。そんなことはゆるされん。わたしが禁止する!」(岩波書店 『人形の家』 竹山道雄訳 1983)

安倍氏と昭恵夫人の間で,どのような会話があったかは知らない。ただ,「このことは妻に直接お聞きください」と言う夫の発言もなければ,「このことは,証人喚問であれ,記者会見であれ,私から直接お答えします」と言う妻の言葉も,まだ聞けてないことは事実である。

世界経済フォーラムによる「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」は,政治,経済,教育,健康の4分野のデータをもとに男女格差を分析したものである。2016年版では,調査対象144カ国のうち,日本は111位と過去最低の水準になった。国会議員における男女比率は122位,官民の高位職における女性比率は113位,専門的技術的労働者の女性比率は101位である。

「夫は妻の代弁者にはなれない」これは,一般の女性の感覚であろう。しかし,一見自立した女性の活躍が,男性の社会的地位や権威という庇護のもとで可能になっているとすれば,こうした男女のあり方は,本来の女性の社会参加の障害にもなりかねない。日本の男女格差の背景に,潜在的『人形の家』があるのではないかと考えてしまう。杞憂であればよいが。

(グリーフカウンセラー 精神科医)
2017・3・29


◆2017年3月12日 第104回 理事会開催◆


《審議事項》


第1号議案

2017年度事業計画に関する事項

「2016年度事業報告書(1月末現在)」及び「2017年度事業計画案」を基に杉山理事長より説明があり、モデル事業に関しては本年度に引き続き来年度も調査研究事業として継続すること、香川県共同募金会平成28年度テーマ募金(29年度事業)に応募し来年度事業のための募金活動を行う予定とすることで了承された。「2017年度事業計画案」に関しては、管理運営の事業に「⑤香川県共同募金会平成28年度テーマ募金」の項目を追加し,テーマ募金の用途としては、①「喪失を経験した子どもの親・保護者グループ」のグループミーティング、②公開セミナー、③グリーフワーク・デー、グリーフワーク週間とする。またその内容に、大切な人をなくした子どものための冊子も作成も検討していく。

第2号議案

2017年度収支予算案に関する事項

香川県自殺対策強化事業費、香川県共同募金会事業費を含めた2017年度収支予算案について、村上美智子理事より説明がなされ、今後、具体的な収支予算案を作成し、4月の理事会にて審議することで了承された。

第3号議案

モデル事業「喪失を経験した子どもの親・保護者グループ」に関する事項

本年度計3回のワーキンググループが開催された標記モデル事業について、2017年度は継続してモデル事業として計画実施すること,新規認定カウンセラーも含めた会員からワーキンググループのメンバーおよび相談員を募り、年間6回開催を目標として調査研究事業として実施することで了承された。

第4号議案

冊子「喪失の危機を克服するためのハンドブック」の改訂に関する事項

冊子「喪失の危機を克服するためのハンドブック」の改定について加筆修正,挿絵等の改訂箇所に関して主担当植田理事からの説明があり,今後の進め方を審議し、データの最新化,挿絵などについて植田理事からの提案どおりで了承された。

第5号議案

定款変更に関する事項

第103回理事会第6号議案において審議された理事の任期に関する定款変更について審議を行い、別紙配布資料「GWK第104回理事会第5号議案 定款変更に関する事項」をもとに修正案を総会で諮ることで了承された。

第6号議案

事務局体制に関する事項

2017年度の事務局担当者および相談事業コーディネーターについて、今後も会員および新入会員の中から募集していくこと、理事の推薦する人員にも交渉していくことで了承された。