2011(平成23)年8月 ニュースレターダイジェスト第89号
◆第21回理事会が 開催される◆
8月14日(日)高松市男女共同参画センターにおいて以下の内容について報告・承認されました。
《報告事項》
(1)第2回公開セミナー終了について
7月24日に開催したセミナー(テーマ:「グリーフワークとの出会い」)について,顛末報告がありました。本誌後半に,報告を掲載しております。
(2)技術援助について
上記セミナーの開始前に,高松市内の病院の看護実習生等を対象にグリーフワークについての研修および当会の活動内容についての講義を実施した旨の報告がありました。
《審議事項》
(1)ヘルプライン電話相談事業について
- 正式名称:「ヘルプラインかがわ」とすることで了承されました。
- 受理方法は,予約制とすることとして,予約対応の方法について,理事研修での内容も踏まえて審議しました。さらに次回の理事会で継続して検討します。
- 対応時期については,10月事業開始を予定しており,担当者と研修について,次回理事会での継続審議となりました。
- リーフレット記載事項:電話相談事業の正式名称,電話相談事業の趣旨,相談の対象者,相談の方法についても掲載することで了承されました。
- 管理・広報:9月を目途にリーフレットの作成,関係機関への周知,ホームページへの掲載が急がれること,また,ヘルプラインカウンセラー養成講座開講時に受講者への説明がおこなえるよう実施要領の整備も必要であり,詳細については継続審議となりました。
- 事後研修も次回理事会で再検討することで了承されました。
(2)専用電話について
現在グリーフワークかがわ所有のPHSの能力には限界があり,新しく事務局とヘルプラインかがわ予約受付専用の携帯を所有することが了承されました。
(3)ヘルプラインカウンセラー養成講座について
受講の申込みは,定員に達し,8月11日に締め切ったことが報告されました。
今後の予定は次のとおりです。
8月25日(木)18:30から第3回担当者会議
9月15日(木)開講
11月5日(土)18:30から第2回講師会
(4)相談,技術援助等に関する料金について
本年度の電話相談事業については,有料とするが,本年度は基金事業費があるため,一人あたり6回まで無料とすることが可能であるということ,1回のカウンセリング時間の上限は50分とすることが了承されました。
技術援助や個別面接の料金については未決定であり,引き続き理事会で検討することで了承されました。
※ 電話相談と個別面接相談とは,何らかわりはないのではという意見がでたものの,基金事業としての電話相談事業を,グループミーティングに来られない人のための窓口として立ち上げたのが当初の目的でもあり,当面は電話相談事項について詳細を検討していくことが再確認されました。
(5)NPO法人管理運営に関する役員研修について
NPO法人の運営方法について学ぶための役員研修を実施する旨の提案があり,認定NPO法人について(要件等)の研修ができる講師の要請をおこなったうえで,年内開催を検討する方向で了承されました。
(6)その他
電話相談事業について早急に詳細を決定する必要があるので,8月21日に第22回理事会開催を決定し,集中審議とすることで了承されました。
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公開セミナー第2回(テーマ:グリーフワークとの出会い)を終えて
第2回を担当することに決まって以来,私はあらためてニュースレターのバックナンバーと,ホームページの「あゆみ」の欄を2000年の記事から読み直した。ロゴマークの案について議論した日々を思い出した。ロゴマークは,活動の趣旨と方向性を示すものである。セミナーで,ロゴマークに触れたが,この機会にロゴマークの成り立ちを書き遺しておきたいと思う。
グリーフワークかがわのロゴマークが決定されたのは,2005年5月である。前年から図案を募集し,会員から5つの案が提供され,文字案は「グリーフワーク・かがわ(当時の名称)」のデザイン案が2案,「Kagawa
Association for Loss and Grief(英文略称:KALAG)」というデザインも提案された。手書きによるイラストの素材は,虹,雲,笑顔,涙,ハート,つないだ手と,いずれも喪失と悲嘆の過程に思いを寄せる暖かさの表現であると同時に,グリーフワークとは何か,自分たちに何ができるかを問う象徴であるとも思えた。イラストと文字の組み合わせを試し,文字もいくつか色を当てはめてみたり,書体を変えては議論を重ね,そして現在のロゴマークが決定された。背景は空の色であり涙の色を象徴する色,そしてGRIEFの文字は,つながりと自立を表す。必要なときには,手を差し伸べ,それは決して押付けになってはならないという意味を込めた。
現在のロゴマークに決定するまでの過程で候補に挙がり,採用できなかった図案は,いまも私のパソコンのファイルに保存している。いずれも手作りで寄せてくださった図案である。
さて,公開セミナー第2回のテーマ「グリーフワークとの出会い」は,いくとおりもの解釈ができるように意図して決めた。グリーフワークとは,本来は極めて個人的で内面的な過程であるが,それに気づく(出会う)ためには,グリーフワークという概念との出会いが助けとなる。私個人にとっても,喪失と悲嘆の内的な過程に気づき,抱え続けるための助けになっている。そして,グリーフワークかがわの活動を通して,初めて気づくことも多くある。「グリーフワーク」という言葉に幾重にも重なる意味の出会いを伝えたかった。
かつて私は友人との死別を経験したとき,一般的に言われる「時が癒してくれる」ということとは逆の感情の変化に困惑していた。自己矛盾,周囲の人との思いの違い,それらの経験は,グリーフワーク研究会が主催する学習会で「グリーフワーク」について学んだことによって,少しずつ腑に落ちるようになり,いまも続くグリーフワークの過程を受け入れられるようになったと思う。
セミナー当日,参加してくださった看護学生さんたちがグループワークをファシリテートしてくださったのは,たいへんありがたかった。瑞々しい感性による率直な発言は,グループワークを活性化してくださった。さらに各グループでの話し合いの内容を発表していただくことで,さらに視野が拡がった。いま,ここで新たにグリーフワークと出会う機会になっているのだと気づき,こうしたグループワークの時間をもっと取るべきであったと反省している。
一つ課題を決め,涙を流すことの意味をグループで話し合っていただく時間を持ったとき,医療機関で初めて安心して涙を流すことができたというお話があった。最近,私の身近なところでも,同様の話を聴くことがある。苦しくなったときに,誰に相談したらいいのか分からなくて医療機関を受診した,身近な人から相談を受けたが,どう言葉をかけたらいいのか分からず,精神科クリニックを紹介した,そういう話をお聴きするたびに,医療とつなぐ前に,もっとできることがあるはずなのに,忘れられているように思う。私たち個人も,そして家族,職場,学校,地域という集団システムも,それぞれが健康な機能と回復力と支援のちからを持っている。そのことへの信頼感を失ってはならない。安心して涙を流し喪失と悲嘆を超えていける環境が失われつつあるとすれば,その再生のために,「グリーフワーク」の啓発によって貢献していきたいと考えている。今年度の取り組みの一つして,9月に開講するヘルプラインカウンセラー養成講座では,心の危機にある人たちへの支援について学ぶ。「地域でグリーフワークを」という取組みの,大切な一歩となることを目指している。
公開セミナー参加してくださった方に,心から感謝申し上げます。
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グリーフワークかがわ 第2回公開セミナーに参加して
今回のテーマは「グリーフワークとの出会い」。グリーフワークかがわ理事長杉山洋子氏の講演でした。
初めに「グリーフ・悲しみ」を「ワーク・作業」するとは,大切な人や物を失って深い悲しみに襲われたとき,その思いを表現し,充分悲しむ事で現実を受け入れていく『喪の作業』の事です。と話され「グリーフワーク」の考え方,大切さを説明していただきました。
そして杉山氏とグリーフワークとの出会い,人の「心」に興味を持つようになったきっかけなどを話されました。自分の幼い頃の経験が,現在の自分に大きく影響していると思う,というお話でした。
生活の中での喪失についてでは,定年退職や昇進など「生活の変化」はすべて「喪失」と言えるのではないか,何かを失う事だけでなく何かを得ることも「欲求が満たされる⇒欲求感を失う」と考えると「喪失」である,期待するものが得られない(他者が自分の期待に応えてくれない)ことも「喪失」であるという考え方を学びました。
また,悲嘆の仕事にはたくさんのエネルギーが必要である事,喪失を認識し受容する事の難しさ,その作業の中から出る激しい感情を受け入れる事の大切さ,悲しみを抑圧したり気を張り頑張り過ぎる(過活動)事の危険性なども教えていただきました。
参加者同士で話し合う時間をいただき,他の方々の「喪失」についての考え方,捉え方,経験などを聴くことができました。
グリーフワーク(喪の作業)は「終わる」「終わらない」と分けることなく,何となく抱えながら生きていくのだと仰った方がいました。人は生きていく中でいろいろ,たくさんの「喪失」を体験します。生育暦や環境,経験などによりその感じ方は様々です。その様々な感じ方を様々な方法で受容し,生きているのだと思います。「悲しむ事」は大切な事で「悲しみ方」も人それぞれであると改めて考える事ができました
2011(平成23)年9月 4日(日)10:00 〜12:00 理事会
13:30 〜17:00 ヘルプライン電話相談に関する説明会
9月11日(日)10:00 〜11:30 グループミーティング
13:30 〜17:00 理事会
9月15日(木)ヘルプラインカウンセラー養成講座(1)
9月25日(日)10:00〜12:00 公開セミナー第3回
9月29日(木)へルプラインカウンセラー養成講座(2)
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