2017(平成29)年5月グリーフワークかがわ
ニュースレター第157号(HTML版)

2017(平成29)年6月15日 グリーフワークかがわ広報部

◆認定カウンセラー事前研修(2017年度)報告◆


去る4月20日,4月30日の2回にわたり認定カウンセラー事前研修を行いました。2016年度に新たに認定されたグリーフカウンセラーと現任実務者を対象に,相談事業の実施要領,対応マニュアルの確認,意見交換を行いました。

グリーフワークかがわでは,対面型相談の個別相談とグループミーティング,予約制電話相談,即時直通型電話相談を行っています。認定カウンセラーとして,折に触れて初心に戻り,対応を検討することは,ベテランといわれるカウンセラーにとってもあらためて自己を振り返る機会になります。そして新しく認定された方からのフレッシュな意見によって掘り起こされる課題とそれについての議論は,社会のニードについて再考する機会になります。

現在,私たちは,子どもにとって身近な大人(親・保護者)が子どもの悲しみを受けとめやすくなるためのグループミーティングを立ち上げる準備をしています。幼少期から思春期における喪失が,若年者の人格形成,うつ病関連問題等の発生に与える影響が少なくないことを鑑みて,喪失を経験したこどもたちの親,保護者,その他の重要な他者の支援を行い,子どもたちの養育環境の安定化を図ることを目的とするものです。

認定カウンセラーとして,一人ひとりが研鑽を積み,喪失体験という極めて苦痛を伴う悲嘆の過程を支援しグリーフワークを支えあえる社会づくりの一助になればと思います。

認定グリーフカウンセラー 杉山洋子


◆リビングwithグリーフ◆


類は友を呼ぶ~「連れ」から「友だち」へ~

花岡 正憲


子どもの精神発達段階に「ギャングエイジ」という時期がある。小学校中学年頃から同性・同年齢の閉鎖的な小集団を作り,徒党を組んで行動する。秘密を共有したり,悪巧みをしたり,親や教師をハラハラさせることがある。

やがてこの集団は,好みや相性の合った者だけの仲間に収斂していき,規模も次第に小さくなって行く。そして,関係の質も快楽充足的,感覚的なものから,情緒的,精神的なものに変化して行き,悩みを打ち明けたり,将来を語り合ったりするようになる。こうした中で,親友と言える関係も芽生えてくる。類は友を呼ぶと言われるが,似た者同士が集まり,行動をともにする「連れ」の関係から,「友人」関係に移行して行く過程がある。これは大人の友だちづくりでも同じである。

一般に「連れ」とは,「道中連れができてねぇ」「連れがあるので失礼します」と言うように,相手との関係を曖昧にしておきたい時や,はた目にも関係が特定しにくいときに使われがちである。「お連れさまがお待ちです」と言うときは,恋人であることも,夫婦のこともある。

連れは,遊びにしろ,悪巧みにしろ,行動を共にする相手ではあるが,友人と言える間柄になると,連れとは呼ばないし,そう呼ばれることに抵抗を感じる。「友だちに話を聞いてもらう」とは言うが,「連れに話を聞いてもらう」とは言わない。連れには,二人が向きあっているイメージは乏しい。

近頃,若い人との話の中で,「連れ」と言う言葉をよく耳にするようになった。例えば,「休みの日は,連れとゲームしたり,カラオケ行ったり」といった具合である。そこには友人と呼べる関係はないのかと確かめたくなり,「あなたの友だちは…」と問いかけてみると,「連れ」と言い直してくる。話を聞いていると,むしろ,いつでも逃げ出せるところにいたいという思いが伝わってくる。かと言って,連れではなく,もっと親しくなりたい友だちが欲しい訳でもない。

今日,若者にとって集合的アイデンティティの場である学校や職場などに居場所がなくなりつつある。若者のリスク管理の感覚が,深いかかわりになって裏切られることを恐れ,連れ止まりにさせているとも言える。引きこもりや自殺と言った精神的危機が,若者のこうした孤独と関連があることは否定できない。

ネット社会では,本音のトークをして,それがネット上に流されるかも知れないと言う恐れから,若い人たちが用心深くなっている側面もあろう。ICTが,人と人とのネットワークを豊かにするのではなく,むしろ希薄にしているのなら,皮肉なことだ。

獣医学部の開設をめぐり,友人への首相個人の意向が働いたのではないかと言う疑念は,依然として払拭されていない。安倍首相は,「30年来の友人である私と加計さんは,まさに腹心の友」だと言う。「腹心の友」とは,急所の腹や心の奥底を見せても心配ない信頼できる人物のことだ。お互い本音を打ち明け,時には相手に対して厳しいことも言える間柄である。

今,安倍君と加計君の友人関係は,どうなっているのだろう。

安倍君「今回のことは,君のためにという思いもあってのことだったのだが,かえって迷惑をかけてしまったなあ」

加計君「僕もそこまで無理してくれなくても良いと思っていたのだが。ここは国民にちゃんと説明しておかないと,政治的ダメージが大きくなるかもしれないぞ」

安倍君「・・・」

こんな会話があったかどうかは知らない。まさかの時の友こそ真の友だから,頻繁に連絡を取りあっているはずだ。そこでは,こうした真剣な話し合いがあっても不思議ではない。

今回のことで,真の友とはこういうものだと,人々の胸を打つ会話があるのなら是非聞きたいものである。それとも,お互いのリスク管理のために,このところ連絡を絶っているのだろうか。いつでも逃げ出せるゴルフや飲んだりするだけの連れ止まりだったのか。そうは思いたくない。

(グリーフカウンセラー 精神科医)
2017・6・12


◆2017年5月14日 第106回 理事会開催◆


《報告事項》


・香川県社会福祉協議会から技術援助として高齢者いきいき案内所人材バンク登録者交流会「きらりんぐ」の全体会に講師を派遣することが報告された。


《審議事項》

第1号議案

2017年度収支予算案に関する事項

事務局案について審議し,事業収入のうち冊子頒布と技術援助,支出については冊子改訂経費と技術援助事業の講師料の計上で修正することが了承された。

第2号議案

2017年度通常総会(第13回社員総会)の準備に関する事項

第13回社員総会第1号議案から7号議案にわたり内容と議案書の確認を行った。議案書の発送準備は18日に行うこと,総会当日の役割については,司会は上野が担当,議長,議事録署名人は当日出席者から選出することで了承された。

第3号議案

香川県共同募金テーマ募金に関する事項

5月17日の研修会に夛田副理事長が出席し5月末までに申請を行うことで了承された。

第4号議案

個人情報保護に関する事項

NPO法における情報開示制度では役員名簿,10名以上の社員名簿は開示対象文書に含まれており,NPO法人は広範な情報開示制度が採用されているが,グリーフワークかがわの活動を通して知りえた情報の守秘については堅守するよう継続的に啓発をしていくことで了承された。個人情報保護法の改正については,詳細な内容について情報収集が必要である。

第5号議案

香川県精神保健福祉センターから依頼の技術援助に関する事項

香川県精神保健福祉センター(以下「センター」とする)からのゲートキーパー啓発事業の講師派遣依頼について理事長がセンター側との協議を行った報告があり,1月12日については夛田副理事長が担当することで了承された。今後もセンターからの依頼も見込まれ,内容については,当法人が計画している子どもの喪失への支援と繋がる内容として,若年者の自殺予防についてゲートキーパー啓発事業への協力を行えるようにすることで了承された。

第6号議案

冊子改訂に関する事項

冊子改訂については2017年度予算に組み込むこと,顧問溝淵由理氏との改訂版作成について協議の日程を植田,杉山で調整し,理事に周知することで了承された。子どもの喪失に関する冊子発行については,2017年度に準備を進めていくことで了承された。

第7号議案

相談室の安全管理に関する事項

実務者研修当日,カーテンレールの落下,出席者の怪我があり,安全管理について審議し,緊急措置としては段差について注意喚起の張り紙を行った。現在の相談室は,参加者が多くなる会議には狭隘であり,別の会場の貸借あるいは将来的には別の貸物件への移転も検討しなければいけないことが提案され,継続審議となった。

第8号議案

2017年度グリーフカウンセラー養成講座・基礎コースに関する事項

第1回と第3回の杉山理事長に代わる講師の選出について審議され,第1回は夛田副理事長,第3回は上野美幸が担当することで了承された。



◆2017年5月21日 第56回 認定カウンセラー会議◆


【連絡事項】

2017年度グリーフカウンセラー養成講座・基礎コースについて、チラシの最終案に対して意見が出された。役割分担については出席者少数のため、次回の総会、または57回認定カウンセラー会議で決めることとなった。


【その他】

  • グリーフカウンセラー養成講座の応募者について、県外者でも受け入れることが可能かとの質問があった。受講対象を県内者とは明記していないので、受講対象に合致するのではあれば、受け入れて問題ないことが確認された。


【勉強会】


子どもの喪失と悲しみを癒すガイド

第3章「悲しみを乗り越える4つの心理学的課題」 担当者:瀬尾

準備不足と参加人数が少数のため、次回に延期