2017(平成29)年9月グリーフワークかがわ
ニュースレター第161号(HTML版)

2017(平成29)年10月18日 グリーフワークかがわ広報部

喪失を経験した子どもの親・保護者のためのグループミーティング ひまわりミーテイング


❤ グループミーティングに参加してみませんか?

グリーフワークかがわでは、大切な人やかけがえのないものを失った子どもをもつ親や保護者のためのグループミーティングを実施しています。喪失を経験した子どもとどう接してよいか戸惑っている方、自分も同様の喪失を経験し援助を必要としている方、グループミーティングでお話ししてみませんか。

ミーティングではグリーフワークかがわが認定したグリーフカウンセラーが同席し、参加者が安心して体験を共有できるようにサポートします。決して発言を強制されたり発言内容を批判されたりすることはありません。さまざまな感情を言葉にしていく過程で、子どもとともに新たな希望への道を歩んでいけるようになるための心の作業をお手伝いします。

喪失を経験した子どもの親・保護者のためのグループミーティング
「ひまわりミーティング」

開催日 :2017年11月5日(日),12月10日(日)
時 間 :10:30~12:00 (10:00開場)
会 場 :高松市男女共同参画センター

高松市松島町1丁目15番1号 たかまつミライエ6階 (TEL 087-833-2282)
会場は変更となる場合があります。ホームページにてご確認ください。

問合せ : グリーフワークかがわ事務局090-6288-1011 (火・水・木18:30~20:30)
対 象 : 喪失を体験した子どもの親・保護者
参加費 : 無料

予 約 : 不要 (会場に直接お越しください。)

子どもさんも一緒にお越しいただけます


◆リビングwithグリーフ◆


メメント・モリ

花岡 正憲


グリーフワークは,喪失の事実を受け容れ,悲嘆の苦痛を乗り越え,大切にしていた人や関係がなくなった環境に適応し,失われた対象への思いを自分の人生の一部として,新しく生きて行く過程である。

喪失の事実を受け容れることは,心の痛みをともなうため,自分にとって失われた対象が重要であればあるほど,その事実は否認されやすくなる。究極的な対象喪失は,かけがいのない自己の死であり,この事実は日常生活の中では否認されている。

ラテン語にメメント・モリ(memento mori)という警句がある。直訳すれば「死を想え」,意訳するなら「汝の死を覚えよ」「自分がいつか必ず死ぬことを忘れるな」といった意味である。芸術作品のモチーフとして広く用いられ,「自分が死すべきものである」ということを人々に思い起こさせるために使われる。

14,15世紀のヨーロッパの「死の舞踏」の絵画では,擬人化された死の行列が,墓場まで向かう風景が描かれている。様々な職業に属する骸骨の姿で描かれるのが代表的なものである。人それぞれ異なる人生を生きていても,ある日訪れる死によって,身分や貧富の差に関係なく,無に統合されてしまう,ということを暗示している。

ノルウェーの首都オスロには,24時間開園,入園無料の都市公園フログネル公園がある。この一部をなす32万平方メートルのヴィーゲラン彫刻公園には,ノルウェーの彫刻家グスタフ・ヴィーゲラン(1869年-1943年)の作品が展示されている。人生の諸相をテーマにした老若男女のブロンズや花崗岩でできた大小の彫刻で構成され,総数は212組,人物の数は600以上ある。日本的感覚では,中にはグロテスクだとか薄気味悪いと感じられるものもなくはないが,人口50数万のオスロ市民の憩いの場は,スピリッチュアルになれる空間でもある。

9月15日,沖縄県読谷村の壕「チビチリガマ」が荒らされた。「チビチリガマ」は,太平洋戦争末期の沖縄戦で83人が集団自決した場所である。「世代を結ぶ平和の像」の石垣が破壊され,瓶やつぼなどが割られ,千羽鶴が引きちぎられた。遺骨が集められている部分も荒らされた。逮捕された16歳から19歳までの4人少年らは「悪ふざけだった。チビチリガマの歴史的な背景を知らなかった」などと供述している。

翁長沖縄県知事は,「沖縄の平和に対する思いが,若い人たちに伝わっていない中での出来事なのかなと危惧している」と述べた。戦争の記憶は,死の記憶でもある。こうしたメメント・モリの破壊は,大人社会のあり方が問われる出来事であろう。

死の準備教育(death education)の大切さが言われるようになって久しい。私たちの社会では,自分自身の死を想起させるものは排除されがちである。必ず訪れる自分の死と向きあうことで,これまでの生き方をふりかえり,これからの限りある生を真剣に考える。スピリッチュアルになれる時間を取りもどすために,大切なことは,形あるものだけでなく,人それぞれの内なるメメント・モリを持っておくことであろう。

(グリーフカウンセラー 精神科医)
2017・10・4


◆2017年度公開セミナーのご案内◆


回数 開催日 講師 テーマ
第29回 2017年
11月19日(日)
瀬尾 憲正
(グリーフワークかがわ理事・ グリーフカウンセラー)
「生き方が逝き方」
上手に生き、上手に逝く:スマートエイジングの勧め
第30回 2017年
12月10日(日)
西山 忠明
(グリーフワークかがわ理事・ グリーフカウンセラー)
それぞれのグリーフワーク
第31回 2018年
1月14日(日)
中里 陽子
(グリーフカウンセラー)
ローマ 真由子
(グリーフワークかがわ理事・グリーフカウンセラー)
『小さな命を想うとき』
~ペリネイタルロスのグリーフを通して~
第32回 2018年
2月18日(日)
上野 美幸
(グリーフワークかがわ理事・グリーフカウンセラー)
大切なものを失った子どものこころ
第33回 2018年
3月18日(日)
夛田 敏恭
(グリーフワークかがわ副理事長・グリーフカウンセラー)
葬儀からみるグリーフ
  • 会場:丸亀町商店街カルチャールーム(高松市丸亀町1番地1 壱番街東館4階)
  • 参加費:500円(当日会場でお支払い下さい)
  • 企画運営:認定NPO法人 グリーフワークかがわ
    電話090-6288-1011
  • どなたでも参加できます。事前予約不要


◆2017年9月10日 第111回理事会◆


《審議事項》

第1号議案

認定カウンセラー資格継続に関する事項

認定カウンセラーの資格更新のワーキンググループから更新条件について説明があり,提案内容で承認され,細則については次回理事会までに担当者が準備し,再度理事会にて審議する事となった。

第2号議案

2017年度グリーフカウンセラー養成講座・基礎コースに関する事項

受講者数は9名で,受講決定の手続き完了の報告があった。6回終了後,2週後の事業説明会までに資格認定書類等を準備する事を確認した。

第3号議案

高松市男女共同参画センター登録団体の継続に関する事項

試験的にひまわりミーティングでの会場として使用するため,今年度および来年度は引き続き登録することで承認された。

第4号議案

公開セミナーに関する事項

今年度第1回(29回)~第4回(32回)までの内容・日時・場所は決定しており,第5回(33回)(3月18日(日))の講師についての検討,第29回のチラシの発送は10月中に行うことで準備を進めることで了承された。チラシ発送先について検討し,ひまわりミーティングの第2回のチラシ発送にも同封すること,各報道機関と過去のセミナー参加者,病院等には引き続き発送することで了承された。

第5号議案

モデル事業『喪失を経験した子どもの親・保護者グループ』に関する事項

会場確保の件,日時,全体の流れについて担当者から報告があった。また,次回認定カウンセラー会議とメーリングで参加スタッフ募集とする報告があり,承認された。教材については,先ずは認定カウンセラー会議での勉強会で使用するために10冊を研究費として購入する事が承認された。

第6号議案

技術援助事業の執筆依頼に関する事項

日総研出版からの執筆依頼があったが締め切りまでの時間的条件と依頼内容の執筆を検討した結果で請け負うことが困難であると判断し,理事会での審議前に断ったことについて理事長から報告があり,了承された。

第7号議案

平成29年度共同募金(平成30年度助成事業)テーマ募金に関する事項

夛田副理事長の代わりに理事長からの説明があり1月からのテーマ募金について各自寄付依頼先について準備していくこととした。なお,共同募金会でテーマ募金事業の連絡会の案内があると思われ,その報告も受けて準備を進めていくことで了承された。

第8号議案

冊子改訂に関する事項

ワーキンググループからの報告があり,子どもの喪失については現状の冊子に組み込まずに,別途作成する事となった。現状の冊子のデータや言い回しなどを改定すること,内容自体は現状のものを引き継ぐこと,挿絵についてはちぎり絵へ変更することで了承された。

第9号議案

自殺予防週間に関する事項

コーディネーターより,9月10日からの自殺予防週間が始まる事を踏まえて,自殺予防ホットラインの周知について来年度の周知活動についての提案があり,認定カウンセラー会議の議案として審議する事となった。



◆2017年9月17日 第60回 認定カウンセラー会議◆


9月17日に開催予定だった第60回認定カウンセラー会議は、台風18号の接近のため中止となりました。